第14話 ああなっては、もう遅い。

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「手が空いた者は堀の捜索へ回せ。一般客は身元の確認が取れ次第帰してよし」  敬礼した兵士が駆け戻っていく。  少佐と呼ばれた男は、茫然と堀を見下ろしているソニアの腕を取った。無造作だが乱暴なやり方ではなかった。 「ソニア嬢、あなたにも聞きたいことがある。一緒に来ていただこう」  ショックで放心状態のソニアは逆らう気力もわかず、腕を取られるままよろよろと歩きだした。
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