第2話 信者なら〈光の書〉を暗記するくらい当然です。(3)

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第2話 信者なら〈光の書〉を暗記するくらい当然です。(3)

 そのような状態が永く続き、やがて神々の中から違う考えを持つ者たちが現れた。  彼らはこの世界に生まれ育った神々だった。  新しき神々は人間を奴隷状態に留めておくことに疑問を感じた。  同時に、押さえ付けられた人間たちも少しずつ知恵と力を蓄え始めた。  これを不愉快に思った祖神(おやがみ)たちは人間の数が増えすぎたと判断し、自分たちに忠実な者だけを残して滅ぼしてしまおうと決めた。  それに反対する神々は、離反して人間の側に立った。  こうして後の世に〈世界継承戦争〉と呼ばれる大規模な戦が起こった。  戦いは千年の長きにわたった。  神々の大部分は戦争に倦み飽き、新しき世界を探そうとふたたび混沌の海へ乗り出していった。  残った神々は世界の支配権を巡って争い続けた。  人間に味方する神々は、少しずつ追い詰められていった。  人類を敵視する神々の陣営には、最強完璧なる戦神──〈神々の神〉がいたのである。  もはや残るは最初に立ち上がった女神アスフォリアと、彼女を支えるわずかな神々のみ。  ところが戦いの流れは突如として変わる。  〈神々の神〉が腹心の手勢を連れ、アスフォリアに加勢したのである。     
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