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「うん」
「やった!」
「で?何?話しって?」
その時、午後の始業を知らせるチャイムが鳴る。
「今日も一緒に帰ろうね!」
「じゃあ!」と言うと友姫は長い綺麗な髪とスカートをヒラリと風に靡かせて教室に戻って行った。
「まったく、調子が良いんだから」と独り言を呟き、私も教室に戻る。
午後の授業が終わり、下校の放送が流れる中を待ち合わせ場所である玄関を目指し校舎内を歩く。
周りは、部活動に励む生徒の姿や教師の姿。
理科の実験室の前を通り過ぎようとした誰かの声が聞こえ立ち止まる。
私は、ふと振り向くと実験台に手を付く友姫と同学年で別なクラスの女子が激しくキスをする姿だった。
あまりの衝撃的な光景に動悸で胸が苦しくなり慌てて、その場から立ち去った。
(まさか……友姫が……)
玄関に辿り着くと、靴入れのロッカーに手をつき荒い呼吸を落ち着かせた。
(何で?今まで何でも相談してたのに……今日だって…何も言ってくれなかったじゃん……)
暫く、ボーっと考え事してると突然「わっ!」と私を驚かす友姫。
先程の色っぽい顔つきとは違い、友姫は何事も無かったかのように私の顔を見つめる。
「どうしたの?美優?」
「ううん!何もない!」
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