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 本事件は2023年12月に阿佐ヶ谷の男性A(死亡時75歳)が死亡した際の司法解剖において青酸化合物が検出されたのが端緒となり発覚した。  Aは妻X(事件当時67歳)と結婚相談所を介して知り合い、2023年11月に結婚したばかりであった。 警察の捜査によりXは事件当時、約1000万円の借金を抱えており、Xの周辺では1994年以降男性10人が死亡し、総額で数億円の遺産を受け取っていたことも判明した。 このため遺産取得を目的とした連続殺人事件の疑いが浮上した。  渋谷在住のB(死亡時71歳)は2020年10月ごろ結婚相談所を介してXとの交際を始め、2022年3月9日、バイクを運転中に転倒。搬送先の病院で死亡が確認された。搬送時の司法解剖では突発性の心停止と診断されたが、A事件発覚後、警視庁がBの血液を再鑑定したところ致死量の2倍の青酸化合物が発見された。Bの死後、Xはマンションを売却するなどして約2000万円相当の遺産を手にしていた。  2024年11月19日、警視庁はXをA殺人容疑で逮捕。XはAの殺害について当初は否認していたが、後に「結婚した後、金が自由にならなかったので殺した」と供述。  同年12月10日、京都地方検察庁はXを同罪で起訴。 Xは2015年以降の自身の周囲で起こった約10人の不審死のうち8人の死に対する関与を認める供述をした。 2025年1月28日、警視庁はB殺人容疑でXを再逮捕。同年2月18日、検察はXを同罪で追起訴。  6月11日、合同捜査本部は、2017年に結婚相談所を介してXと出会い株式投資のためXに4000万円を貸していた長野県のC(死亡時79歳)に対する殺人未遂容疑でXを再逮捕。
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