95回目。

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 先生の授業を受けていく内に、先生への気持ちが幾度も重なっていく。  先生は古典の教科書を眺めながら、深くため息をついた。そして私語を慎めと言った先生の方から話しかけてきた。  「毎度よく飽きないな。これで何度目だ?」  「93回目です。そのうち93回は断られている、というより冷たくあしらわれました」  「断ってなかったら93まで回数伸びません」  「はっ……ホントだ」  「効果音まで自分で言わないで下さい」  「……んで……」  「ん?」  「じゃあなんでっ……」  口を開きかけたが、キュっとつぐむ。その些細な様子を先生は見逃さない。そうして、アタシが次に何を言いたいかまで当ててしまう。  「"じゃあなんで正式に断らないの"と言いたいのか?」  「……っ……!」  正にその通りだ。教師と生徒の恋愛なんてありえない、と呟く人間が、なぜハッキリと断らないのだろう。  あの返答が、先生なりの断り方なのか。  それともアタシの告白が、届いていないのか。本気だと思われずに、ただの"茶化した遊び"とでも考えているのだろうか。  アタシの告白は本気だ。  先生への愛を込めて伝えている。  手紙でも、電話でも届かない、とびっきりの愛を。     
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