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「ところで体の調子はどうだい?」
「ええ、おかげさまでだいぶ良い感じです」
「それなら良かった。もしまた悪くなったら趣味に没頭すると良い。俺はどうしようもなくなったら廃墟に行くぞ。病院に行くよりも回復する」
「そういえば五郎さんさんの趣味は廃墟見学でしたね。……まさか、変なことしてませんよね?」
「ははっ変なことってなんだよ。大丈夫、土地に入らないで見てるだけだから犯罪はしていないさ。ああいうの見てるとノスタルジーを感じられるんだよ。ああ、俺も年をとったなぁ、人生いろいろあったなぁって」
五郎さんの位置を僕に置き換えてみる。……虚しくなりそうだ。廃墟見てあの頃は良かっただなんて、まだ思いたくない。
でも、自然を見て癒やされるのはありだと思う。心霊現象の原因を探すために、体調に余裕がある時は家で一人で過ごしている。心細い上に眠れないので、体力的にも精神的にもつらい。緑を見るのは良いと聞く。確か森林浴が一番良いんだったか。
北海道は自然が多く残っているから、体がしんどかったら近くの公園に言ってみるのも良いかもしれない。
「疲れたらいつでも言ってくれ。おすすめの廃墟に案内するよ」
「では、その時はお願いします」
原因になっている物は見つかっていないから、近い内に五郎さんのお世話になりそうだ。
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