うそつき日和

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なんだかんだいえど、企画は私が中心で進めなければならない事柄だった。課長はいつも、私に対して口を出していたわけではなく、何か、会議とかで、課長に話を通さなければならないときに、彼は発言した。 ということもあり、正直言って、会議に出たくはなかった。否定されるのがいやな自分がいるだけではなく、否定されたくないと思う自分も嫌だった。だから、会議には出たくないと考えているけれど、結局、私自身に嘘つくことに変わりなかった。 会議が始まる。私が提案した話には、課長の参加が必要だった。いや、正確に言うのならば、人手が多い方がよく、その中に課長という一人が含まれていた。 課長が発言アピールをする。私は無視するわけにもいかず、課長を指名する。発言内容は、前回とさほど変化していないようだった。 私はため息をついて、再度、それを否定した。 結局、計画は課長の反発があったものの、関係なく経過していった。私主導で問題は無いようだったが、それでも、その課長のことが私的には気かがりでいた。以前と比べて、私を声が届かないような、一歩引いた、異なる直線に存在してしまったかのような違和感が私を包んだ。 その理由を、昨日。私は知った。     
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