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「卒業時に一番の成績を取れれば一つ欲しいものをくれるとか・・・」
徳則は生徒手帳の後ろのページを指す。そこに卒業時のことが書かれていて成績が良いグループからいいところに就職ができると。そして一番の成績のグループには一つ欲しいものを用意してくれると書かれていた。
「欲しいもの…」
俺たちは顔を見合わせた。俺たちは性格も夢も全然違う。けれど欲しいものはきっと一緒だ。いや、絶対一緒だ。俺だけがそう思っているわけじゃない。ほら、徳則は少し得意げに、恭平は少し意地悪そうに、笑っているから。
「俺たちは、」
「僕たちは、」
「僕たちは、」
「「「神様の息子だけど神様になりたくありません!!」」」
お互いの手を叩き笑う。
「まあ、いつかはならなきゃいけないですが…」
徳則がぼそっと言うけど、恭平は首を振って、
「神様の本能に従って、自分の使命を果たすのも大事だけど、ならなきゃいけない日までは僕たちは自分の夢に向き合いたいよね」
だって俺たちだって人間じゃないけど男子高校生だから。青春したい、ばかやりたいお年頃ですから。
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