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さあ!実習だ!!
「おはようございます。今日入学してから初めての実習を行います。今からそれぞれのグループに資料を渡すので資料を見ながら説明に入りたいと思います」
体育館に俺たちの学年40名を前に先生はマイクで話し、各列の先頭にいるリーダーに資料を渡していく。俺のグループは俺と徳則と恭平で、リーダーはじゃんけんで徳則になった。リーダーは実習の打ち合わせとか報告書の提出とかしなくてはいけないので基本誰もやりたがらない。真面目な徳則でも嫌がるぐらいリーダーはやっても自分になんの得もないポジションだ。けど俺と恭平は知っている。徳則はじゃんけんで必ず最初にグーを出してしまうことを。
「徳則、資料見せてよ!」
徳則の後ろにいる俺は背中をつつきお願いする。徳則は「静かにしなさい」と言うと黙って、後ろに資料を見せてくれた。
「えー、僕にも見せてよ。」
後ろの恭平も俺の背中をつつくので二人で見る。その資料には暗い表情で写っているセーラー服の女の子がいた。
「今回渡した資料に写っている人物は今日、死にます」
体育館の空気が一瞬固まった。
「今回行う実習は、君たちが死神の仕事を手伝うことです。魂を狩るのは死神がやってくれますが幸運を与える神は天国に行くべき者に最期に最高の幸せを届け、人にとって有益ではない報復する方の神は地獄に行く者に苦痛を与える、それを行ってもらう」
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