まずは俺、犬上禅の自己紹介

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「じゃあ、2番目の理由は?」 先生の質問を遮るように教室のドアが開かれた。 「先生、聞くとがっかりするので聞かないほうがいいですよ」 学ランの第一ボタンまでしっかり留めている真面目優等生の菅原徳則・・・俺の幼馴染が入ってきた。廊下で女子たちが騒いでいる声が聞こえる。徳則はあの崇徳天皇の息子なのだ。 この世界では力が強い親から生まれる子供はほとんど美形だ。まあ俺も不細工ではないけれど徳則の人気は到底手に届かない。けれど徳則はその女子の声を無視して俺のスクールバックを指さす。 「禅君、ここは勉学の場ですよ。その缶バッチやストラップは必要ないでしょ?!」 うちの母親より母親のように叱る徳則。 「いるし。徳則も魔法少女るるか見たら人生変わるから!」
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