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帰り道、俺はふと2人の将来の夢というか進路が気になった。
「え、僕の夢?」
棒キャンディーを口に入れながら恭平は考え込む。その横で徳則が自信満々に、
「僕はもう決めていますよ!父さんが怨霊を辞めてしまったので僕が父さんを超えるような立派な怨霊になります!」
…まあ徳則はそう決めてるのはもっと前から知っていた。と言うのも、徳則のお父さんがエリート怨霊だったのに突然やめて小説家になると言い出したのがきっかけだ。その日から徳則は同年代の誰よりも真面目に賢く生きている。自分が父親を超える存在になれば誰も何も言わないだろうと考えているからだ。あのときかなりの騒動になったのはよく覚えている。
「そうじゃなくて、徳則がやりたいこととかないわけ?」
そんなおうち事情が夢だなんて悲しすぎる。
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