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「…本当にやりたいことですか?」
徳則は顎に手を当て考え出す。眉間にまでしわが寄ってきてもう聞くのが申し訳ないと思い出したとき、弱った目でこちらを見てきた。
「禅君、絶対笑うと思いますよ」
「笑わないよ、たぶん」
「たぶん、って何!?」
恭平が吹き出す。そのとき、とても小さな声で、
「僕のバイクで僕の知らない世界を駆け回りたいんです。一度でいいから、将来の夢や正しい生き方とかを考えずに好きなことしてみたいですね。きっと無理なことかもしれませんが。」
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