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今日も神野は遊びに来ていて、俺の部屋でDVDを見ていた。
しかも借りてきたDVDはアクションで、主人公にピンチが訪れてハラハラする展開であって恋愛要素なんてこれっぽっちもない。
それなのに何故、先ほどから俺を熱い目で見つめているのだろう。
その視線を無視して画面を見つめていたが、次第に神野の腕が俺の肩に回りその身を引き寄せた。
「おい、邪魔すんなよ」
今、良い所なのだ。気を散らさないでほしい。
「後で」
だが、神野は止まらない。肩を掴むとそのまま押し倒された。
「おまっ、いい加減に」
強引さにムカついて引きはがそうとするが、
「ごめん、限界」
唇を唇でふさがれた。
「んっ、んんっ!」
たっぷりと口内を舌で弄られた後、唇が離れる。唾液で濡れている口を甲で拭い神野を見上げれば、いつもの優しい目はどこに、獲物を狩る肉食獣の如くぎらつく目をして俺を見ていた。
前に一度だけ神野を怖いと思った事がある。その時のようで、ゾクッと寒気を感じ腰が引けてしまう。
「やっ」
顔を引き離そうとするが後頭部を押さえられキスをする。ちゅっちゅと水音がいやらしく、神野の舌が俺を翻弄していく。
「ふ、あ」
「予想通り、可愛い反応……」
唇が糸を引きながら離れ、ペロリと濡れた唇を赤い舌が舐め、熱で少し目元が赤らんでいて、その仕草と共に扇情的にみえた。
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