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それに神野も気が付いたか、
「悟郎はここ、感じるんだな」
と指で摘まみ動かした。
「やめろ、感じてねぇしっ」
動かされるたびに甘く身体が痺れて、キスをされた時のように頭ン中が蕩けてしまいそうになる。
でも俺は女じゃねぇ。胸を弄られて気持ちいいとか、ありえない。
「男だって感じる人はいるよ」
まるで俺の心を読んだかのように神野がそう口にする。
まじか。男でも感じるものなのか。
試しに神野の胸の粒を、シャツ越しに摘まむ。
「え、ちょっと、痛いっ」
本当に痛そうな顔だ。俺は指を離すと、
「俺は感じないタイプってだけだよ」
とふにふにと指先で捏ね、それが気持ち良くてはぁっと息を吐く。
「気持ちいいって顔している」
口角を上げ、そう指摘する神野に、俺は眉間にシワを寄せ睨みつける。
「してねぇ」
「そう。ならやめる」
手が離れて、じんじんとした熱のみ残された。
それを耐えるように身を丸めるが、身体は神野の指を求めてしまう。
涙は止まらないし熱が収まらない。どうしたら良いのかわからなくて混乱する。
「悟郎、ちゃんと口にしないと、俺は黙って見ているだけだよ」
その言葉に目を見開き神野を見れば、腕を組みをしながら俺を見ている。
「あ、うっ」
素直に慣れないのに触れて欲しいと思っている俺。言葉より涙出る。それでも神野は触れてくれない。
「一人で続き、出来るの?」
答えられず、シーツを握りしめながら神野を見つめる。
そんな俺にため息をつき、ベッドから立ち上がった。
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