これが俺の日常…だったはずなんだ。

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教室に入ると、俺を見て女子達がきゃっきゃっと騒ぎ始める。俺はかなりモテるし、隼人はあまり女の子と話さないけど、そこがクールでいいって人気だからね。それに気づかないふりしながら自分の席を探して座る。 「はい、では今日からこのクラスの担任になりました、53歳の相見 博之(あいみ ひろゆき)です。よろしく。」 黒板の下でほんわかと挨拶したのは我らの担任、通称あいちゃんだ。生徒とは仲が良く、美人の妻をもつちょっと髪が薄くなってきた先生である。 「そういえば、高橋君はなぜ始業式に来なかったのですか?」 「…え?それ聞いちゃう?」 恐らく、このクラスの生徒は俺がナニをしていたかわかっているだろう。そんなことでもずばずばと聞いてしまうあいちゃん…痺れるぜ。 「ベンチで寝てて…(嘘はついていない。)」 「そうですか、明日の全校朝会は出て下さいね。」 「……はぁい。」 なんと明日は朝会がある日らしい。まぁ、校長が話して生徒会が話すだけなんだけどね。 「では、今日はこれで終わりです。寄り道せずに真っ直ぐに家に帰りましょうね。」 まるで小学生を相手にしているような話し方であいちゃんは言った。それを合図に皆はそれぞれ帰って行った。
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