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こほん、と咳をしてからその男の子をじぃっと見つめる金子裕哉。
「君が……高橋 陸君で間違いないかい?」
「はい!すみません…」
やっぱり新人なのか目の前の先輩に少しおどおどしながら答える。
「そっか。じゃあ、君は本当に違かったんだね。」
金子裕哉は俺の方に向かってニッコリと営業スマイルだと思われる笑顔を向けて小さな紙を差し出してきた。
「何かお詫びがしたいからここに連絡してくれないかな?それ、僕の携番だからさ。」
「えっ!だめですよ!俺がこんな有名な人の連絡先なんか…」
「お願いだよ。僕も疲れててさ、お詫びしないといけないことがあれば休ませてくれるしさ!」
そう言って金子裕哉は俺に女の子がメロメロになるだろうウインクをしてきた。俺はそれに苦笑いで返しながら今度連絡することを約束してその場を立ち去った。
なんとも嵐みたいな人だったけど、テレビで見るより格好良かったし優しい人だった。
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