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ポカンとした後に「なに考えてんだ」とでも言うような人を馬鹿にする視線を向けてきて、近づいてお茶を机に置く。少し近づいてきただけで身の危険を感じて体を守るように自分の肩に腕を回す。
「何言ってんだ馬鹿。」
「だっ、だってそれ…」
「あーそれ。俺のダチが読めってうるさいから借りてるだけだ。読んではない。そして俺にそんな趣味はない。」
隼人がいつもと変わらず冷静に話を進めるから、俺もだんだん冷静になってきた。
考えてみりゃそうだ。隼人がホモなはずが無い。女に興味ないし、彼女いないし、男から好かれるし………あれ?
「お前ってやっぱり、ホ…うぎゃっ!」
「断じて違う。」
頭の上に拳骨が落ちてきて今度こそ冷静を取り戻した。頭をさすりながなら隼人を恨めしい顔で睨みあげると、冷たい目を向けられた。
「つぅか、そのダチってのはどんな趣味してんのさ。ホモ?」
「いや、よくわからないが、自分は見る専門らしい。」
「へぇ~。一度あってみたいな。」
「やめとけ。後悔すんぞ。」
「はいはーい。」
その日はそれで終わり。俺と隼人の間に何か起こるわけもなく、それから数日経ったある日、驚くべき事が起こったんだ。
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