俺は断じて受けではない

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「ところでそこのお連れさんは?」 「んーとね、なんて言えばいいのかな。…あ!そう、運命で巡り会っちゃった。」 なにか考えるそぶりをした後、閃いたように目を輝かせて金子裕哉はそう言った。 この人頭の中お花畑なんじゃないの?なんて俺は思いつつも、春吉さんと呼ばれるその人にペコリと頭を下げる。春吉さんはニコリと笑顔で返してくれて、俺の顔も自然と綻んだ。 「ねぇ、甘いのとか好き?」 「…好きです。」 「よし、春吉さん甘いものちょうだい!」 金子裕哉はそばに置かれたメニューには手も触れずに春吉さんに頼んだ。 「わかったよ。…飲み物はなににするんだい?」 「んーと、僕はココアがいいな。」 「あ、俺はえーっと…」 「オレンジジュースもあるよ。」 「…じゃあ、それで……」 メニューを持っていなかったので何にするか迷っていると春吉さんがオススメ(?)してくれたのでオレンジにしてみた。 俺はなんだか場違いな気がしなくもないが、空気を読んで金子裕哉の前の席に座った。
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