俺は断じて受けではない

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「恋人」 「………。」 「うそうそ!冗談!ブラックジョーク!アメリカンジョーク!」 「俺は別に偏見ありませんから。」 金子裕哉は本当に冗談のつもりで言ったんだろう。俺が無言を貫くと本気と捉えたのかと思ったのか焦って否定してくる。 「僕と春吉さんは従兄弟であって、僕の事務所の社長でもあるんだ。」 「え?シャイニーズ事務所の社長さんなんですか?」 「うん、私はシャイニーズ事務所の社長であり、ここの店主でもある。金子 春吉(かねこ はるよし)ちなみに38歳。改めてよろしく。」 そう言って微笑む春吉さん。確かに2人はどことなく似ていると思っていたけど従兄弟とは…いや、驚くべきはそこじゃない。事務所の社長って…すげー人に出会ったよ。 「僕、イケメンに会うとここに連れてきてスカウトしちゃうんだ~社長もいるし。」 「俺はその中の1人ですか。」 「さっき振られちゃったけど。」 金子裕哉は苦笑いしてココアを一口。 「まあ、お金に困ったら頼ってくれ。いい仕事をあげるからさ。」 春吉さんが言うとそれに同意するように金子裕哉が頷く。確かに俺はバイトとかしてないから仕事をくれるなら万々歳だ。
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