俺は断じて受けではない

9/37
前へ
/329ページ
次へ
「じゃあそろそろレッスンに戻ろうかな。マネージャーさんも今頃プンプンだろうから。」 パンケーキを食べ終えた金子裕哉はヘラッと笑って財布に入っていた一万円札を取り出した。さっき自動販売機に入れようとしていたお金だろう。 「あ、ごちそうさまです。」 「いいよいいよ。ここはお兄さんの僕に任せといて。」 言いながら変装道具をつけていく。それで警察に捕まらないのが不思議なくらいだ。 「あ、そういえば…」 「…?」 「この前僕が間違えた高橋君がいるだろう?」 「ああ、高橋 陸君でしたっけ?」 「そうそう。あの新人君。…あの子、君と同じ高校に通うみたいだよ。同じ制服をきていたからね。」 へぇ~……どうせ同じクラスにならないしどうでもいいんだけどね。でもシャイニーズ事務所の奴が入るってなれば少しざわつくんじゃないかななんて思っているとお会計が終わっていた。 「じゃあね、洸くん。」 ヒラヒラと手を振って外に出て行く金子裕哉。俺の名前覚えてたんだなんて思いながら春吉さんに挨拶をして俺も外へと出た。
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3104人が本棚に入れています
本棚に追加