はじまり

3/4
前へ
/9ページ
次へ
香水ボトルを見つめ迷っていた彼女は、ちらっとホワイトボードに目をやる。 そして、真後ろにあるベッドの方を向き、キョロキョロと見回した。 ベッドには薄いピンクの布団と、枕の横には、クマのぬいぐるみが横になっている。 それを見つけた彼女は、駆け足で布団にダイブ。 クマのぬいぐるみに手を伸ばし、勢いよくどかした。 そこから顔を覗かせた白いデジタル時計は、12時42分を示している。 「やばい!!遅刻!!!!」 そう言うと彼女は、勢いを変えずカラーボックスまで戻り、真ん中にあるハート型の瓶を手に取り、自身の喉元に吹きかけた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加