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スキップしたい気持ちを抑えながら、大好きな曲の鼻歌を歌う。
歩くスピードが少し早くなっていく。
何分か歩くと、今までの閑静な住宅街と違って、高いビルが建ち並び、人が忙しなく交差して歩く、街の景色になった。
目的地に近付くと、彼女は鞄からスマートフォンを取り出し、チャットアプリを開く。
それと同時に電話がかかってきたので、彼女は一瞬誰からの着信か分からず、どきりとした。
そんな自分の反応に対する笑いを堪えながら、電話に出る。
「ふふ……もしもし。あ、やっぱりもう着いてる?
うん、あたしも近くまでは来たよ。もう少しだけ待ってて!
ん? んーん。連絡来てるかなってスマホ開けたら、ちょうど電話きてびっくりしたの! それだけー 」
言うと彼女は、前髪を少しつまんでから、小走りで目的地へと向かった。
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