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しばらくして、二人から口々に「ああ、分かった」「すみません」という声が返ってきた。
私はホッとして、マイクのスイッチを切った。トラブルの芽は早めに摘んだ方が良い。
この『施設』には、精神に異常をきたした人がたくさん収容されている。特にしりとりをしていた二人がいる区画には、罪を犯したが心神喪失などの理由で無罪になった人達が収容されていた。
その区画の部屋はすべて個室で、二人も隣り合った別々の部屋にいるが、少し大きい声を出せば会話できる。二人はそれを利用し、時々、今のような遊びで暇をつぶしていた。
私の仕事は監視室にあるモニターで患者たちの様子をチェックし、トラブルを未然に防ぐことだ。
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