第1章

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第1章

 数学の教科書、副読本、問題集、提出用ノート、プリントの束。化学も同じく。そして英語は単語帳がプラスされる。大量にあるそれらをカバンの中に押し込むと、私はため息をついた。教科書や参考書に書かれていることを私がこなすには、時間がかかり過ぎる。そして今日も半分しか終わらなかったので、家に持ち帰らなくてはならない。これが私の日常だ。使いこなせない参考書やら単語帳を持ち帰り、そして登校するときには持ってくる。不毛なこの反復行動にいったい何の意味があるのか、と私は自分に問いただしたい。帰るまでは勉強する意志はあるのだが、家に帰ってからが問題だ。夏の終わりの、日が暮れなずむ教室で、たったひとり。私は高校生という受難の日々を嘆息するしかない。     
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