労働は尊い

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 牧草地を風が吹き抜けていく。いい風だ。  俺の魔生にも追い風が吹いている気がする。  バサリ、と俺の背中で黒い翼が風に吹かれて揺れた。 「牧場主(オーナー)! 自分だけサボらないでくださいよー!」 「すまんすまん! 今行く!」  従業員達も皆、気のいい働き者ばかりだ。俺は何て恵まれているのだろう。  従業員達(コイツら)の働きに報いる為にも、これからも頑張っていかないとな。  ニンゲンの養殖を絶対に成功させないとな。  こうして俺は決意を新たに、風に押される様に走り出す。従業員達の笑顔に向かって。魔族達の新たな未来に向かって。 【Fin】
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