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割り当てられた机に案内されたカンナは、机の上に何もないので、非常に不安そうな目つきになる。ジロジロ見ている自分たちがいけないのかと、みんなは自分のモニター画面に目を向けた。
「こんにちは。お荷物です」
ちょうど開いていたドアから、宅配便の業者が顔を出した。どうせパソコンだろうと思っていたHは、箱の多さに腰が抜けそうになった。PC本体とモニターと付属品以外に、ミカン箱で6箱あるのだ。
「美並さん、これって?」
「本」
蚊の鳴くような声に誰もが驚いた。もちろん、初めて聞く声。そういえば、彼女は姿を現したときに挨拶をしていないことに、誰もが今更ながら気づいた。
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