3.上を飛び越えて進言してみた

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3.上を飛び越えて進言してみた

「ニュース! 昼の弁当と夜の弁当を持ってくる、弁当大好き呑気部長が、また仕様変更を受けたわよ」  席に戻ってきたタケルの声に、周囲が一斉に落胆する。 「マジでか」「修羅場」「限りなくブラック」「とっくにブラック。お前が気づいてないだけ」「どうすんの、この状況で」  連日の残業で、終電に駆け込むのがほぼ日課。休日出勤も、当たり前になっている。  バグは一向に収束しない。対向試験がまともに進まない。この状況はガラス張りで、顧客にも伝わっている。  みんなは、すっかり疲弊している。思いつく言葉は、「万策尽きた」だ。 「弁当食いに会社来ている部長にデバッグさせようぜ」「そうだ、そうだ」  ただならぬ雰囲気になってきたところで、タケルが手を上げた。
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