花火

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車窓から流れる景色は視界を流れ星のように一瞬で過ぎ去ってゆく。 早く、早く、という言葉がまとわりつくように、「一瞬」という言葉を残して過ぎていった。 停車する度、ドアの閉まる時間さえもどかしい。 君に、会いにゆく。 季節はあっという間に過ぎ、僕だけがまだ高校生をしていた。 バイトもせず、一途に陸上だけをして少ないお小遣いを貯めるために、友達との付き合いを減らした。理由は「部活」と「受験」で充分だった。高校生の節約は、交際費を削る事でしかできない。 会いに行く、会いに行くんだ。
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