共にこの誘拐を成功させようではないか!

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「いや、別に。‥‥ただ、本庁の連中には今までの犯人と、これからの犯人の動きの『差』に注意するよう伝えてくれや。ひょっとしたら、この事件(ヤマ)ぁ思っていたより手こずるかもしれん‥‥」 堂上はメールの内容を写した紙をしげしげと眺める。 そのメールには、こう書かれていた。 『用意した現金をカバンに入れ、取っ手にハンカチを結びつける。明日それを持って、JR山の手駅から14時23分発の下り電車に乗る。運搬役は父親で、その携帯を持っていくこと。指示に従わなかったり、警察が出てきたら子供の安全は保証できない』 「何かなぁ‥‥どーも腑に落ちん。何かが、不自然だ‥‥何かが、だ」 眺めれば、眺めるほどに。 何か黒い闇のようなものの存在を、堂上は感じずにいられなかった。
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