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「‥‥これまでの例から言うとねぇ、犯人が最初に指定した方法で現金の受け渡しに現れるケースは皆無なんですわ。恐らくは今回も旦那さんの近くに警察がウロウロしていないかをチェックするための確認行動でしょうね。
ですから近くに寄ってくるヤツよりも、遠巻きにして見ているヤツの方が怪しいんです。そして、こっちには犯人のプロファイルがある。ですから、それに当てはまりそうなヤツに注意して‥‥と最初は考えておったんですがねぇ」
急に堂上が口ごもった。
「な、何かありましたか?」
何か、不手際であったのだろうか。或いは自分の知らない所で新情報が出たとか?
「いえ、昨日のメールですよ。私はアレを読んだ時に直感で『ヘンだな』と思いました。旦那さんは思いませんでしか?‥‥特には、ですか‥‥。まぁ、人を疑うのが私らの仕事ですから、ついついそう考えてしまうんでしょうが‥‥」
「何か、お感じになったのですか?」
恐る恐る尋ねてみる。
「えぇ。で、ウチの犯罪心理学の担当に見て貰ったんですが、やはり私と同じ印象を受けたそうです」
「と、言いますと?」
何だか、イヤな予感がしてならない。
「ぶっちゃけた話、『犯人は複数だ』という事です」
堂上が、キッパリと断定してみせた。
「複数?! ど、どうしてそんなことが‥‥」
修造は心の中で慌てた。何かマズかったのか‥‥!
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