分前と裏の計画

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「ま、パパから詳細を聞いた訳じゃないから、ホントの処はよく判らないんだけども。ホラ、今年って結構株が値上がりしただろ?確かボクの覚えでは日経平均で5000円近く上がったはずなんだ」 日経平均、なとどおよそ小学生には似つかわしくないセリフにオレはとまどった。 「で‥‥? それがどうしたってんだよ!」 「だからさ、それだけ市場の参加者が増えている‥‥てことで、パパの投資会社は相当に儲かっている筈なんだ。そう、困るくらいにね」 「どうして、儲かったら困るんだ?」 「やれやれ、これだから貧乏人はさぁ‥‥」 困ったモノだと言わんばかりに、光一は両手を広げた。 「税金だよ。税金。お国に払う所得税の税率っていくらか知ってる? 上限45%だよ。45%! それに住民税が10%だから、合計55%。‥‥まさに濡れ手に粟だよね。他人様に儲けさせておいて、その上前を半分も持っていくんだよ? えげつないにも程があるよね」 「‥‥税率くらいは俺でも判るけどよ、けどそれでも、話が見えてこねぇぞ?」 「だからさ、恐らくだけどパパは今年、10億近い報酬額になってるんじゃないかな、と思うんだ。デリバティブ何かもやってたみたいだし。そのまま行けば5.5億はお国にとられちゃう訳だろ?      
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