分前と裏の計画

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そこで、その分のお金を今回の身代金に当てるんだ。それで、その分を丸々非課税対象として申告すれば、その分は浮くという計算なんだよ。だからおじさんに2億支払っても差し引き3.5億の大もうけってワケさ」 ケタの違う‥‥というか、住んでる世界が違うとは、こういうものなのかと思い知らされる気分である。 「それにね、それだけじゃぁないんだ。いずれボクは高槻の家を相続する。すると、今のままでいったら、とてつもない額の相続税をはらわなきゃいけないんだ。わかるだろ? けども、生前贈与をすると、それに税金が掛かるし。なので、今のうちに現金をボクの口座に移しておけば、その分に税金は掛からなくて済むじゃん?」 「色々と詳しいなお前は、まったく。‥‥これだからカネ持ちって人種は嫌いなんだ」 オレは呆れ顔で言った。 「おカネのためには、自分の息子の誘拐でさえ利用しやがるとはよ。‥‥それになぁ、お前。税金の支払いは国民の義務だぞ、義務。俺は事業が上手くいってない時でも、ちゃんと最低限の税金は払ってきたぞ?」     
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