分前と裏の計画

5/5
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「大丈夫だって、オジさん。そう心配しなくても。仮に、だよ。パパが税金を納めなかったとしても、その分のお金はパパやオジさんや、ボクが使うことになるだろ? すると、その品物と引き換えにお金を貰った人が、今度は税金を国に納める。そうでなくても、何かモノを買えば消費税を払ってるんだし。結局、どう転んでも国は税金を取っり逸れることはないのさ」 「あ~ぁ。親の顔がみたいよ。」 オレはゴロン、と古畳の上に転がった。 「それにさ、おじさん。」 光一が続ける。 「ボク達はもちろん、警察だって、ボクさえ無事に戻ればそれなりに『顔』が立つってものだし、その他にも新聞や雑誌、テレビなんかもこの事件を取り上げれば発行部数や視聴率が稼げる訳だし、良いことずくめじゃん!」 そして、横になって向こうを向いているオレの背中をボンっ!と、ひとつ叩いた。 「という訳で、後ひと頑張りだからさ。最後まで気を抜かずにやり遂げようよ! みんなのために!」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!