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取引は完了した？
「それだ！犯人の野郎は旦那をその間道に誘導した後に、船着場で現金を下ろさせるつもりなんだ！ それから、空になった車で山を降りさせて、我々の注意をそっちに集めるつもりだ‥‥そして自分は漁船で脱出を図るという計画に違いあるまい！ くそったれめ！だから軽トラを用意させたんだな‥‥」
「し、しかし10億もの現金が船に乗るんですか？」
「10億というと大金だが、所詮は紙だからな。意外と重量は無いはずだ‥‥多分100キロもないだろう。人間にしたら2人分に過ぎん。なら、小さな漁船でも十分に乗るはずだ！」
堂上は興奮を隠そうともせず、携帯電話をつかみ、先ほど間道を連絡してきた覆面パトカーに連絡を取った。
「おいっ、オレだ。川の堤防沿いに覆面パトカーを手配しろ！ 急げ、上流と下流の両方だ！ ヘッドライトに気を付けろと言えっ！ 気づかれないようにして、川を渡る船をチェックするんだ！
それから、お前たちは山道を降りてくる旦那の車を後ろから追いかけろ！ 恐らく、オレの勘だと山を降りた途端にスピードを上げて、急に曲がったりするはずだ。‥‥その方が警察の眼をかえって引き易いからな‥‥」
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