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「あのね、長くは喋れないんだ。山道を降りた所にカカシがあるんだって。それに次の指示が書いてあるから、それに従えって言えって‥‥。
それで、この電話はこのまま切るけど、次に何時連絡するか判らないから携帯は何時でも出られるようにしておけって‥‥じゃぁ、パパお願い。きっと助けてね。待ってるから!」
電話の会話はそこで切れ、プープーという終話音に変わっていた。
「切れたか‥‥発信元はどうだ?特定できたか?」
「‥‥電話会社から連絡が入りました。相手を特定出来たそうです。‥‥相手も携帯でした。‥‥名義人は、『高槻修造』だそうです。」
「えっ? 高槻修造名義の携帯‥‥? もしかして、光一とかいう人質が持っていた、という事か?」
「まぁ、考えられなくもないですね」
「それを奪って犯人が悪用している訳か‥‥」
そんな事は、修造は一言も言ってなかったと思うが。或いは気が動転して忘れていたのかも知れないが‥‥?
堂上は気を取り直して、部下に尋ね直した。
「‥‥で? 場所はどうだ? 発信源は特定できたのか?」
「‥‥お待ちください。今、返事が‥‥あぁ、来ました。‥‥はい‥‥はい。警部、発信元は隣の市からです。大雑把にしか場所は特定できませんが、指定されたショッピングセンター付近のアンテナからの電波だそうです」
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