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第二の計画は始動する
次の日。
早朝から高槻家には、来客がひっきりなしに訪れていた。
高級車が何台も付近に停車していたかと思えば、明らかに銀行関係者と思しき男性が出入りを繰り返していたりしていた。
「おぅ、高槻の家の様子はどうだ?」
堂上は捜査本部から、付近に隠れている小阪の携帯に電話をかけた。
「‥‥急がしそうですね。銀行とか‥‥後は親戚関係でしょうかね。」
少し離れた所から、屋敷の様子を伺う。
「誘拐の件も、何時までも黙ってはおられんからな‥‥それに、現金10億ってのもな。今時そんじょそこらの支店ごときにぁ、そんな大量の現金は無ぇ。いや、ヘタすると本店でも直ぐに出ないかもしれん。と、なると後は日銀って話になるが‥‥。エライことになってきたな。また、次長にドヤされそうだなぁ‥‥」
堂上はボヤきながら、タバコの煙を吐いた。
テーブルに置いてある灰皿は、セブンスターの吸い殻で山になっている。
「‥‥犯人は現金が簡単に揃わないことを知っていて、5日も日を空けたんでしょうか?」
「だろうな」
半端な額じゃないのは、相手も認識しているハズなのだ。
「じゃぁ、5日後には現れる確率は高い‥‥と見ていいんでしょうか?」
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