みんなのために、誘拐を

そして、みんなのために

「そうさ。ま、これからデザインを決めたりする訳だから、2～3年はかかるかも知れんが、そうすれば現行のお札は全てパーだ。
ま、銀行に持っていきゃぁ、新札に替えてくれるだろうが、大量に持ち込めば誰だって怪しむだろ？　と、なると犯人のヤツは使えない札束を大量に抱えて泣くハメになるって寸法さぁ！」

ガハハハと、堂上が大声で笑った。

「ざまぁみろ。国家権力に逆らった罰をとっく、と思い知らせてやるぜっ！」

そう言うと堂上は「さて‥‥」と、腰を上げた。

「さて、とりあえず寝るとするか。これから手掛りを当たらにゃならん。犯人殿が『3年後のニセ札』を抱えて困らんように、我々の手でカネに不自由のねぇ『別荘暮らし』をさせてやらにゃぁな！」