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そして、みんなのために
要するに、それは資金洗浄である。
「そしたら、今度はその現地通貨を日本円に戻すんだ。そうすれば、真っ当なお金が銀行残高として残る‥‥って遣り方だね。
気をつけるのは、せいぜい為替レートで騙されないって事だよ?」
「いやしかし‥‥そんな急激に事業を拡大して、怪しまれないか?」
とても、一人で上手く行かせる自信なんて、有りはしなかった。
「良いんじゃない? 後は、出資者兼コンサルタントであるパパやボクの口座に少しづつ還流してくれればOKだよ。大丈夫、その辺の話は後でパパに上手く伝えておくから。ま、そんなのはどうにでもなるよ」
「‥‥ホント、お前にゃかなわねぇよ」
オレは、大きく溜息をついた。
くそったれめ! 金持ちってなぁ、こうして肥え太っていくのかよ‥‥つくづく、世の中の『金』ってヤツぁ金持ちの間だけで周るように出来てやがるぜ!
「ああ、それと。もしよければ、家具販売の経営コンサルタントの方も引き受けて良いよ? ただし、コレ次第だけどさ!」
ニッコリと笑いながら、光一が指で『丸』を作ってみせる。
「‥‥ボクは将来、他人の役に立つ仕事をしたいと思っているんだ」
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