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「分かった、分かった。もういいわ。珠姫さん、またモバ・エブで頑張って下さい」
梓は立ち上がると珠姫にドアを示した。
「何よ、師匠を追い出すの?『天王寺』の改訂版を梓も読んでみてよ」
珠姫がその原稿を今から読ませようとしたので遂に梓もぶち切れる。
「珠姫さん、いつまで天王寺にしがみつくつもり?それに未だに師匠面をして……もういいから帰って下さい」
梓の綺麗な白い指の先を珠姫も見た。
「非常通報ボタン?何よそれ!」
珠姫が真っ赤になった。
「お金はあげるからさっさと帰って下さい。それにもう二度と師匠とか私の先生とか言わないで」
梓はボタンを押して警備員を呼びますよと構えて見せた。
「梓……あなたって人はそんな人だったの?」
珠姫の胸のしこりがかってないほど肥大化した。
「それはこっちのセリフよ」
梓も負けてはいない。
「珠姫さん、さっきの土下座も泣いて見せたのもあれは芝居だったのね」
「あぁ、しこりが、しこりが」
珠姫は苦しそうに胸を押さえた。
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