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東日本大震災で未曾有の被害にあわれた各地の市庁舎にランドセルが届けられた。
匿名の寄付である。
簡単な手紙が一枚だけ入っていた。
『今日と言う日は残りの人生の始まりの第一歩です。辛くても悲しくても前を向いて再び歩き出しましょう』
ある市には男女用のランドセルが20個も送られて来ている。
このことはその市のみで収まらず、すぐに全国的なニュースとなり各局のテレビで報道された。
三陸のある市長はマスコミの会見で、感極まり、この匿名のプレゼントに号泣してしまった。
市長の後方に並ぶ市役所の人も全員が泣いて感謝していた。
ランドセルを送るという行為はこれが初めてではないし、話題になったあの伊達直人ではないのかもと、それからしばらくは全国で清清しい笑顔と優しさが溢れた。
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