私刑屋

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「由子さん、あなた何回言ったら分かるのよ」 姑が昼間から爆発した。 「うどん焼きは醤油で作ってとあれだけ言っているでしょ?」 姑の嫁いびりが今日も始まる。 「まったく、あんたみたいなどうしようもない嫁を武司はどうして貰ったのかねぇ」 「………」 由子(ゆうこ)は黙っている。 「なんとか言いなさいよ。あたしを無視するつもり?」 由子の姑、雅子は60になったばかりで体は頑健。至って健康そのもの。 年に一度の健康診断でもどこにも異常はない。 昔、スポーツをしていたのできしゃな由子よりも大柄。 毎日のようにいびり倒されても気の弱い由子は言い返すこともままならない。
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