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「いや、飯田さんはあれで結構可愛い人だと思うけどなぁ」
我々の機微は不思議なもの。
何だ、やっぱり俺のことは冷やかしだったのかと佐野も飯田を見損なっていたつもりなのだが、相原に馬鹿にされるとつい庇いたくもなる。
「で、飯田茜のおもろい話って?」
相原は佐野に気づかれないように興味なさそうに聞いた。
「それが今朝から行方不明らしい。朝のワイドショーもすっぽかしたらしいのだ」
「ドタキャンしたのか?」
相原は一瞬だけ顔色を変えた。
「そう聞いたけどね。あの子、事務所にもマネージャーにも何の連絡もしてないそうだよ」
佐野がじっと見ていそうなので相原はわざと笑う。
「アホな女やなぁ。そんなことしたらもう芸能界には復帰出来ないぜ」
「そやろ?どうして逃亡みたいなことしたんやろう?」
「さぁ、俺にはあんな女の考えてることはさっぱり分からんけど、芸能リポーター連中が騒いでいるのとちゃうか?」
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