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私の隣に音無くん。すぐに眠ってしまう彼の寝顔を見る。確かにイケメンだ。まつげ長いし。
「何見てるの?」いきなり目を開けて問いかけてくる。
うっ、言い訳が出来ない。
「暇だったの。音無くんすぐ眠っちゃうし。」文句をいってやる。
「じゃあ、お話しするか。」二人の中学時代の話などなんだかんだと盛り上がった。
S組に任意の席替えはない。月1度ある実力試験の順位で席が決まるのだ。
私と音無君、美樹ちゃんの順位は変わらない。御三家は卒業まで席が変わることなく、私の隣から音無君が変わることはなかった。
秋の文化祭では、なんと月島あやめのピアノリサイタルに招待された。ママが私と奏太君が通う第一高校を招待してくれたのだ。
音楽の授業の一環として取り入れられたリサイタル。最初はあまり乗り気でなかった学生達も、ママの演奏のまえには誰一人ひとつの音もたてずに聞き入ったのであった。
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