第1章

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会社の寮に着く頃には、もう日付が変わろうとしていた。 自分でも言うのもなんだけど、売れっ子の俺は忙しいのだ。 シャワーだけで済ませて、腰にタオルだけ巻いてリビングへと足を運ぶと、借りてきたDVDをセットする。 参考までにと、借りてきた黒谷敦史主演のゲイビデオだ。 『あっ、あっ!あぁん!!』 バックで激しく揺さぶられる男。 だらしなく口端からは唾液が滴り落ち、快楽に喘ぐ姿は到底演技だと思えない。 後孔から欲望が引き抜かれ、黒谷敦史の顔が、アップでクローズアップされる。 ドキリとした… どこか妖艶でセクシーさのなかに、男らしい力強さもあった。 確かに人気があるのも、抱かれたくなるのも分かるかもしれない。 俺は時間も気にせず、深夜遅くまで黒谷敦史を見続けていた。
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