第5章

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目覚めたのはベッドのなかで、 俺の手を握りしめながら、樋口大貴がスヤスヤと寝息をたてていた。 寝顔はこんなに可愛いのに… そっと髪を撫でると、パチリと目の開いた樋口大貴と視線が絡み合う。 「ゆうちゃん…」 心配そうに覗く目が子犬みたい。 俺には媚薬の効果は刺激が強過ぎるみたで、撮影中に意識を手放したんだ… 「ごめんね…皆にも樋口くんにも迷惑かけちゃた…」 「ゆうちゃんは心配しなくていいよ!!監督さんも良い映像が撮れたって、喜んでたし!!」 自分の不甲斐なさに、涙がでそうで。 そんな俺を樋口大貴は、元気ずけようと一生懸命慰めてくれる。 「俺がゆうちゃんに、無理させたから…」 「樋口くんは悪くないよ!それに凄く格好良かったし、気持ち良かったよ?」 「ほんとに、そう思ってる?」 「うん!仕事だって分かってるのに、ドキドキしたもん」 本当に俺のこと好きなんだ…キラキラとした瞳がそう言ってる。 「ゆうちゃんにそう言って貰えて、めちゃくちゃ嬉しい!!」 「大袈裟だよ…」 「全然そんなことないよ!だって俺はゆうちゃんの大ファンだもの!!」 そこまで言われると照れくさい。 真っ直ぐで純粋で、樋口大貴という人物は物凄く良い奴だと思う。 「俺…ゆうちゃんに…もっと近づきたいし…」 頬に懸かる髪… 俺は樋口大貴にキスされていた。 触れた唇はすぐ離れて、まるで中学生のようなキス… 「それに…ゆうちゃんのこと…もっと知りたい…」 樋口大貴の顔は真剣そのもので、 俺はどうしていいか分からず、 ただ呆然としていた…
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