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4年以上前の話だから、いい加減根に持つのを辞めて、前を見て歩かないといけない。
あの日、お互いお酒が入ってた。
だから、起きてしまった事故。
大地先輩がアメリカに発つのが寂しくて、わたしがわがままを言って、2人で飲み直しに2件目に行ったのもいけなかった。
とはいえ、初めてのわたしに夜通し痛い思いをさせ、朝目覚めたらもう居なくなっていたのは酷すぎると思う。
飛行機の時間があったから仕方がなかったのかもしれないけれど…。
大地先輩の事を慕い尊敬をしていた。
それは、恋心でもあった。
大地先輩が好きでも、迷惑がられて補佐から外されるのが嫌で告白できなかった。
お別れの日、大地先輩と離れたくないとわがままを言ったのはわたし。
それで、最後の日に関係を持ち、捨てられたのは流れ的に仕方がなかったのかもしれない。
自分の席に着き、頬を叩き、仕事モードに戻る。
今のわたしはどこからどうみても男にしかみえない。
だから、大地先輩は変な気を起こさないだろう。
大地先輩の補佐につけるのは幸運な事。
彼の仕事のスキルを学べるチャンス。
しばらくは気まずい空気が流れるかもしれないけど、慣れたら、大学の時みたいに、完璧な補佐を熟せると思う。
大地先輩との挨拶をイメージする。
あの日の事を聞かれたら、『過去の事だから』と流し、『事故だ』と言おう。
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