きずな

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*  ピンポーン。  玄関のチャイムが鳴る。ドアを開けると、予想通りの人物が立っている。懐かしい出来事。 「瑞希ー。遊びに来た」 「悟さ、いったい何してんだよ」 「今日はそのお披露目にきましたあ」 「はっ?」  悟のこの調子はずっと変わらないのだろう。瑞希はよく分からないまま悟を家の中へ招いた。 「おかあさんいる?」 「いるよ」 「じゃあ、外行こう」  今日は悟が来ると分かっていたから、母はわざわざ仕事の休みをとってくれた。まだ二人きりで出かけるのは心配なのだろう。瑞希自身も不安は感じている。  母はすぐに車をだしてくれた。毎晩母の帰宅後に外を散歩する以外は、少し家を出るのにも車ばかり。 「着いたわよ」  たった数分しか乗らなかった。こんな近くに降りるような場所あったかな、などと瑞希が考えていると、悟が後部座席のドアを開けた。母以外に介助してもらうのははじめてだったけれど、難なく降車して白杖を手にとる。  なんか、やりやすい……?
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