砂浜の感触

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 ピンポーン。  玄関のチャイムが鳴る。ドアを開けると、予想通りの人物が立っている。毎日の出来事。 「瑞希(みずき)、今日はやいねー。俺まだ眠いよ」 「んなこと言ってんなって。今日こそ俺が抜いてやるんだから」 「毎日よく飽きないねー」 「(さとる)に勝つまで飽きねぇよ」 「そっかそっか。うんじゃあ、今日も走りに行くか」  ビーサンを脱いで裸足で砂浜を走る二人。前を走る悟を瑞希は追いかける。  観光客やサーファーが使う海岸とは数キロ離れた、地元民の散歩道にしかならない小さな砂浜で、二人は暗くなるまで毎日追いかけっこをしている。  疲れたら浜辺に大の字になって寝転がる。 「今日、風冷たいー」 「俺たち、なんで風邪ひかないんだろな」 「そりゃ子どもは風の子だからでしょ」 「ほれタッチ」 「あ、ずるいー」  悟の肩を叩いて走っていった瑞希を追いかけて、悟も慌てて立ち上がる。それからはまた続行。
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