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「パパも知ってるの…あんぱん日和」
パパはおばあちゃんに線香をあげながら頷いた。
「おばあちゃんに教えてもらったんだよ。曇った日の三好堂のあんぱんは最高傑作だって。おばあさんの作る最高のあんことお爺さんの作る最高のパン…。これを味わえるのは曇った日だけだって…」
私ははっとした。
そうか…。
お爺さんのあんこが美味しくないって事じゃないんだ。
二人で作るあんぱんが最高って事なんだ…。
私は胸の中が暖かくなって行くのを感じた。
「今日は忙しくなるぞ…飯食って支度しろよ…」
パパはそう言って出て行った。
私は立ち上がった。
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