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「あんぱんはね。潰して食べるのが正しい食べ方なんだよ」
おばあちゃんはそう言って手であんぱんを挟み、潰して食べてた。
「こうするとね、中のあんがちゃんと隅々まで広がるのよ…」
ニコニコ笑いながらそのあんぱんを半分個して私にくれた。
確かにおばあちゃんと半分個して食べたあんぱんは端っこまであんが入っていた。
小さかった私は、同じようにあんぱんを潰してみたけど、力が弱くてあんぱんが上手く潰れない。
それを見ておばあちゃんは、
「菜緒子はまだ小さいから、ちゃんとあんぱんを潰せないね…」
そう言って、座布団の下にあんぱんを袋ごと入れた。
「この上に座ってごらん」
私はあんぱんの上に敷いた座布団に座った。
「お行儀の悪い事だけどね…。あんぱんだけは上に座っても許してくれるよ」
おばあちゃんはニコニコ笑いながら私にそう言った。
そして、私の体重で潰れたあんぱんを二人で分けて食べた。
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